使ってみよう

まずは起動

インストールが済んだら、その中の実行ファイルをダブルクリックします。 もちろん、ショートカットを作ってある場合は、 そのショートカットのダブルクリックで大丈夫です。

そうすると、次のようなウィンドウがあらわれます。

初期画面

発着駅を入れてみよう

さっそく使ってみましょう。「発駅」の入力枠をクリックして、 「東京」と入力…おやおや、エラーになってしまいました。実は、MARSでは、 駅名は読み仮名で入力しなければいけないのです。 どうしてそうなっているのかというと、いろいろ込み入った事情があるのですが、 とにもかくにも再度挑戦。Backspaceキーで消して、 ひらがなで「とうきょう」と入れて、最後にEnterキー。 今度はうまくいきました。

とうきょう

着駅の方は、ここはとりあえず、「はちおうじ」 と入れてみましょう。「八王子みなみ野」駅が候補にあがりますが、 とりあえず素直に「八王子」を選びましょう。

八王子?八王子みなみ野?

経路は路線名で指定

ここからが普通の運賃計算ソフトとは大きく違います。 MARSでは、経路を手動で入力するのです。 いちおう、よくある経路はキーワード一発で出てくるようになっていますが、 基本的にはひとつひとつ手動です。

東京〜八王子付近

さて、東京駅から八王子といえば、通常は中央快速線です。 ところが、右側の候補には中央線が出ていません!

実は、中央線の東京→神田間は、線籍上は中央線ではなく東北本線ということになっているので(実際、2015年3月のダイヤ改正により、 「上野東京ライン」という名前で東北本線の電車の東京駅乗り入れが再開しました)、 「C:東北」を選ばないといけないのです。 半角大文字で「C」を入れましょう 。(半角小文字の「c」 を入れるとローマ字入力が始まってしまいますので、注意してください。)

あるいは、キーボードから直接「とうほく」 と入力することもできます。
ただし、東北本線は東京から盛岡までの間でいろいろと枝分かれしているので、 東京駅から直行できるかどうかは考慮してくれず、どの分枝なのかを訊かれます。 右の表に出ているのは単に「東北」とだけ書かれた路線ですので、 同じ表記のものを選ぶようにしてください。

東北本線

隣は乗換駅です。「かんだ」と入れます。

さて困りました。次の候補は中央線のはずですが、右の表に「中央」がありません。 さらに悪いことに、東北本線と接している路線は山ほどあるので、 全部は出ていません。

「中央東」ならあるので、とりあえずこれを入れてみることにしましょう。 大文字のDを入れます。

結論からいうとこれが正解で、 もういちどEnterキーを押すと、次のような答えが出てきます。

念のため、他の運賃計算ソフトと照合しましょう。 ここでは、Yahoo!の検索結果を例としてあげておきます。 どうやら、合っているようです。 紙のきっぷの800円と、IC乗車券の場合の799円と、両方確認しておきましょう。

Yahoo!の計算結果

自明な路線名・駅名は補ってくれる

さて、たかが運賃計算にここまで面倒なことをせにゃあかんのか、 と思われたかたも多いでしょう。 そこでここでは、ヒントをいくつか挙げておくことにします。

まず、最初の東北本線は省略できます。 というのは、「中央線と直接つながっていて、かつ東京駅を通る」 という線は東北本線しかないからです。

また、神田駅も省略できます。東北本線と中央線の接点は神田しかありません。

え、秋葉原経由と品川・渋谷経由はどうしたって? はい、これにもからくりがあります。それらのルートについては、

なので、いずれも中央東線と直接にはつながっていないことになるのです。 このようにMARSでは、 ひとつの区間は必ずひとつの路線だけに所属するようになっています。

ちなみに、最初の時点で選択肢にある F:総武 は 「東京駅を通る総武本線」、つまり総武快速線のことですので、 これを選ぶと 東京→錦糸町→秋葉原→お茶の水→八王子 という経路が出てきます。

列車名・愛称名でも指定できる

実は、路線名の代わりに特急などの列車名、 あるいは路線の愛称名でも指定できるのです。

さきほど東北本線を入力したところで、「かいじ」 と入れてみてください。特急〔かいじ〕の一部は東京駅始発になっているので、 その列車名を入れれば認識してくれるのです。

かいじ

あるいは、MARSには「中央特快」という愛称名も登録されています。 「ちゅうおうとっかい」と入れてみてください。 これは発駅・着駅が特別快速の通過駅であっても意を酌んでくれます。

中央特快

ただし、特急列車の名前を入れても、 特急券の料金は出してくれません。乗車券だけです。 キロ数は出ますから、別途、時刻表のピンクのページにある表をひいて、 特急料金を計算してください。

裏を返せば…

以上、MARSでは経路を手動で入力するということを説明しました。 でもこれは、逆手に取れば、通常の自動計算では出てこない遠回りのルートでも自由自在に計算できるということです。

たとえば、東京から富士山に登山にでかけるとしましょう。

富士山周辺一周

そうすると、こういうルートがまず思い浮かびます。

東京→(新幹線・東海道本線)→富士→(特急〔ワイドビューふじかわ〕)→富士宮→(登山)→同じルートを逆にたどって東京へ

たしかに、こういう往復乗車券を買うのも悪くはありません。 でも、もし鉄学心に燃えるお子さんがいらっしゃって、登山そっちのけで 「もっといろんな電車にのりたい!」と言い出したらどうなるでしょう?

この場合に買う切符は、たとえば次のようになります。 こんな遠回りの片道切符も買えるのです。

東京→富士→富士宮→(途中下車して登山)→(同じ方向へ)→甲府→(中央線)→新宿

筆者の知る限り、このルートを自動的にはじき出せるソフトウェアは存在しません。 MARSが利用者に不便を強いるからには、逆にそれを補うだけのメリットもあるのです。

…なんとなく、マニュアルシフトのスポーツ車に乗っている人が 「オートマはダメだ」と気を吐くのに似ていると思いませんか? もっとも、SWAの運転免許はAT限定ですし、 でるもんた・いいじまもマニュアル車を運転するのはトラックだけですが。

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